がん検診・健康診断について

NHK NEWS WEB「『線虫』でがん早期発見 検査技術実用化」の記事を読んで

2020/01/16

いよいよ2020年1月から「線虫」にヒトの尿のにおいをかがせるというあの検査が各地の医療機関で実用化されるとのこと。

どこの病院でうけられるかは現時点まだ発表されていません。開発~実用化に成功した「HIROTSUバイオサイエンス」のHPで公開されるものと思います。

尿一滴で検査ができるなんて、これ以上体に負担のないお手軽な検査はないんじゃないかな?

検査費用は今のところ1万円ほどの負担があるらしいが、腫瘍マーカーと違い、1滴で15種類のがんの検査が可能なうえ、早期の発見精度が高いらしい。

しかし、その15種類のどの癌の可能性があるかの判別が出来ないので、今後は、癌の種別を判定する線虫を開発していくとのこと。

線虫の仲間には寄生虫として危険な「アニサキス」とかよく聞きますよね。しかし、線虫さん、ここで一躍英雄になりました。がんの検査に使われるのは「シー・エレガンス」という線虫さん。さすが、もう、お名前からして違います。

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過剰診断、偽陽性の問題

そして、やっぱりがん検診の進歩に必ず付きまとうもの。「過剰診断」の問題です。つい一昨日も、Yahoo!ニュースの「過剰診断」について私の思うたけを書いたばかりなんです。
http://nagai-michi.net/seikatsu-kazyousindan/

ねちねちと過剰診断の記事ばかり集めているわけではないんです^^;偶然2日連続それについて書いているニュース記事が目に入ったんです^^;

国立がん研究センターの中山富雄検診研究部長は「がんによっては、早期に見つけても治療が必要な大きさになるまで数年かかるものもある。その場合、治療までの期間患者さんの精神的な負担は非常に大きく、うつ状態になる人もいる。とにかく早く見つければよいというものではなく、患者さんの生活の質をより高めるためにどのように結果を生かすのか、合わせて考える必要がある」と話しています。

NHK NEWS WEB 「『線虫』でがん早期発見 検査技術実用化 東京のベンチャー企業」より
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191217/k10012218371000.html?utm_int=word_contents_list-items_001&word_result=%E5%8C%BB%E7%99%82

後半部分が過剰検診、偽陽性の事について書かれていました。

私は18年前に乳がんが見つかった時は、「すること」があったから知りたくなかったとは思いません。現に私はその時の手早い治療のおかげで生かされています。

今は癌化を疑う状態に成長するまで「治療法がない」ものを偶然見つけました。医療関係者にも知人にも、「早く知れてよかったね」と言われることがほとんどですが、そうでしょうか?私の心中は複雑です。

不安な女性

RRiceさんによる写真ACからの写真

 

がんになる前の人のQOLも

癌の早期発見についてはもうずいぶん確立されてきたんじゃないでしょうか。もっと精度の高い、もっと早期に、もっと便利に。早期発見を競うものであれば、もう癌は発症前に予測がつくレベルです。

大昔、がん患者にがんであることを隠して治療を受けさせることが多くあった時代。点滴後に激しい嘔吐、脱毛、そんな時、
「俺は癌なのか?」→「そんなわけないじゃない!がんばるのよ!」

という時代から、医療の進歩に伴い、「告知」「説明」「納得」「選択」を患者が経験し、「QOL生活の質」を大事にする時代に変化しました。

これからは、またしても進歩する医療に伴って、がんになってからのQOLだけでなく、「がんになる前の人」のQOLの向上も願ってやみません。

寿命を全うするまですべての人の中で言うと「がんになる前の人」を経験する人がほとんなのですから。


参考:NHK NEWS WEB 科学・文化 2019年12月17日(火)掲載
「『線虫』でがん早期発見 検査技術実用化 東京のベンチャー企業」よりhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20191217/k10012218371000.html?utm_int=word_contents_list-items_001&word_result=%E5%8C%BB%E7%99%82

                      

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