病気と生活

検査で分かる恐怖と分からない恐怖

2017/06/16

医学の進歩は目を見張るものがあります。ごく小さな癌の早期発見方法もどんどん進んでいますね。そこに付きまとう「分かり過ぎてしまうという恐怖」について医師と雑談したこと、白でもない黒でもない「グレー」という気持ちの悪い結果に悩む事など、自分なりに思う事を今日は綴りたいと思います。

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医師もいい事かどうか分からない時があるんだと

私は乳がん術後からフォローアップを受けて来ました。それとは別に、肺の小結節と、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)が悪性を疑う所見が出てこないかを経過観察しています。これらが見つかったのは偶然であり、「知りたい」という意志と準備をしていない時に診断をされました。

これらを見つけた医師は、見つけまくることがいちがいに良い事でもないと私に言いました。小さな「何か」があったとしても癌になる事なく、そのままそれを知らずに年をとり、知らないまま寿命を迎える人も多いからです。

そして、よくある小さな「何か」にいちいちメスを入れて白か黒をつける検査をしたりせず、健康だったものを片っ端からわざわざ傷つけない為に、「グレー」という見解を聞かされ順を追って次の検査へ持ち越す事も多いと思います。もちろん、「グレー」などという言葉は使わず配慮ある言葉で説明していただくのですが、それを白に近いグレーとか、黒に近いグレーとか、私はそう受け取っています。

全ての事象に100%はないという事を単純に思うと、真っ白ですと断言される事のほうが少ないかもしれません。

医師としては見つけてしまったからには、経過を観察することを勧めなければならない。その時から、指定された検査の日の度に結果を怯えて待つ精神的なストレス、微量とは言え度重なる放射線を受けるなどの身体的デメリット、金銭的デメリットが付きまとい始めます。

見つけてしまってゴメ…なんて謝りかけて口をつぐむ医師。私が症状のない病気を知りたい時期ではない事を察しているか、私が何度も経過観察をしている病気が他に沢山あり、また増えてしまったと医師も思ったからでしょう。

気の毒に話す医師

もちろん、それを自己責任で経過観察に行かないと決める事も出来るのでしょうが、そう決めるには随分なエネルギーが必要です。

2度目の癌になる治療費の恐怖

他にも事情がありますが、うちには私が2度目の癌治療にかける金銭的余裕はありません。

病気で治療費がかかるが病気で働けない。障害年金の対象となる状況でもない。そうなったとしたらどうすればよいだろう?

パートでも社会保険に加入している今なら、働けないレベルの病気が見つかったら傷病手当金をMAX1年半受給する算段をする事くらいはぼんやり考えています。まだ他にその時に応じて色々選択もあるかもしれません。

乳がん15年目、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、肺の小結節の経過観察をしている私は、今、また一つの「淵」に居るかもしれないです。症状が全くないのに淵に居る事を知ってしまいました。

私のように、何も自覚症状がないけれど人間ドックに行ったその年から、生涯何らかの経過観察がつきまとう人も多いようです。

転職、健康保険の切り替え時や保険の見直しなどの社会的ターニングポイントでは私はよく検査をしに行きます。それは、1ヵ月後に病気が分かってしまうより、今病気が分かっていた方が都合がよいと思っている時だからです。しかし、

風邪を引いた時に病院に行って偶然発見する症状のない「病気の前段階」だと指摘される事は、崖っぷちに立った足元をグラグラ揺らしてくるような、そんな感じがしてしまいます。

知りたい人。知りたくない人。知りたくない時期。

私は乳がんが見つかった時、知るタイミングはベストであったと思いました。ステージⅡbですが、それでよかったと思っています。出産と同時に知ったので、何も知らずに、機嫌よく出産の日を迎えられました。癌の大きさから妊娠前からあったものだと言われましたが、分かっていたら子供が居ない、症状が出てから知ったら私が今居ないかもしれない。それは今更だからの考えではあるのですが。

そして今また別の小さな病変を医師に見つけてもらった私が、「知らなきゃよかった」と愚痴を言ったなら。

あの時知っていれば、医師が見つけてくれていたらという状況の人が「見つけてくれた事の愚痴」を見たら傷つくのではないかと思うのです。

安心する為の検査が別の不安を生まない為に

癌サバイバーの長期生存者として、やはり初発の癌を見つけるがん検診はとても重要だと思います。この記事では過剰検診や悩ましい結果、知りたくない時期などに焦点を合わせていますが、癌は早期発見がよいメリットはここにあえて書かなくても誰もがご既知のとおりでしょう。

自分が望んだがん検診で、どういう結果が出うるのか。それは少し調べてから癌検診を受けるのがよいかもしれません。

過去に書いた例ですが、

デンスブレストを知らずにマンモグラフィーを受けて戸惑ったり、別記事→http://nagai-michi.net/seikatsu-dense/

がん検診のオプションの腫瘍マーカーにスッキリしない後味を残したり、別記事4項目→http://nagai-michi.net/nyugan-kiroku-marker/

等など、色々ありますが、スッキリしない事をなるべく避ける為です。

検診のごくわずかに医師や技師に話せるタイミングで、話を聞けるよう、質問してたいことをまとめておいて、ちょっとでもスッキリ出来ればよいとおもいます(‘◇’)ゞ

                      

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