【肺がん】手術直後の様子~意外なことで困り事あり~
手術を受ける全員が術後の痛みについて心配しますが、医師、看護師もその対策は万全にしてくれる準備があります。ですが、手術と直接関係のない想定外のことが一番の「苦痛」となることがあります。
大きな手術は数回やりましたが、いつも想定外のところでの苦痛が術創の苦痛を上回っていました。寝返りも打てない状態にあるとき、どんなことがその人の「苦痛」なのか十人十色のため、なってみないとわからない。対策のしようがないんですね。
今まで手術の時もそうでした。術創の痛みより、導尿の管が痛くてたまらないこともあったな。
今回は「血栓予防の足のマッサージ器」が気持ち悪いことが、肺の痛みを上回りました。他にも想定外の困った事が私的にありました。
手術そのものと、回復は順調でした。
困ったことを時系列順で書いていきますね。
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ICUがいっぱいで病棟の個室に入る
手術の説明の時に、術後はICUで一泊するが、重症度が高い患者が発生した時は一般病棟に帰ることもある。と説明を受けていました。
ですが、肺葉切除の患者はICUの優先度が高いとも説明されていたので、荷物もまとめてICUがある別の棟のロッカーに閉じ込め、自分が使うものは何一つ出していませんでした。
ストレッチャーで元居た病棟の個室に運ばれてから、
「実はここ、元いたところなんです。急遽ICUに空きがなくなりましたので。」
と意識が朦朧とするなか看護師さんに説明されました。
荷物が同じ部屋の中にあれば、ほしいものを看護師さんに袋の中から出してくださいと言えたけど、ないんですよ。
痛み緩和を選ぶか吐き気を選ぶか
そりゃ、切ってるんだから痛いのは当たり前と最初から思っています。
肺葉を切除しているから、息を吸うたび呼吸痛があります。こんな状態で一晩すごしたくないからと、全身麻酔の残りの惰眠をむさぼるように自らの神経を鈍感にするよう勤めました。
ですが、1時間おきに看護師さんが血圧をはかりに来るので、いい感じに「無」になれているときに引き戻されます。
痛み止めは大盛で、と事前にお願いしてる通りに点滴にぶっこんでもらいましたが、突然吐き気がおそい、すぐに嘔吐しました。
吐き気止めのおかげ気分悪いのもでこれ一回きり、まわりからみるより本人はケロっとしてます。看護師さんが膿盆でナイスキャッチして事なきを得ました。
足のマッサージ機が苦痛
困ったことその1です。
血栓を予防するため、足にショートブーツ丈のマッサージ器を朝まではめられます。足枷のようで、それが風船のように膨らんで圧力で足をもんできます。人によったら、これが気持ちいい人もいるかもしれませんね。
マッサージ器をつけるにあたり、素足ではダメとのことで、事前に靴下を看護師さんに渡していました。くるぶしソックスはダメ!と言われたので、長めの肌触りの悪いゴワゴワのウールのソックスしかなかったので、これでいっか。と安易に選んでしまいました。
これが最大の失敗でした。
私は足裏に汗をかきやすいので、ウールのゴワゴワソックスは、ビニール製のマッサージ器の中ですぐにびちゃびちゃになりました。
マッサージ器は蒸れたびちゃびちゃのソックスを押しつけながら一晩中定期的にもんでくるのです。
これを外してほしいと懇願しましたが、もし血栓が出来てそれが詰まると大変なので外せないと言われました。靴下も替えがないので仕方ないと。
時間の感覚がわからない
困ったことその2です。
ICUでは時計が常にベットから見えると聞いていたのですが、今は病棟の個室です。時計が視界にありません。
惰眠をむさぼり、何分かに1度めが醒めます。いったいどれほど眠っていたのか、今は夜なのか、朝に近づいているのか全く感覚がわかりません。
心電図のモニターの明るさはあるものの、消灯している薄暗い中、いつまでこの蒸れた足の不快感を味わったらいいのかわかなく、気が狂いそうでした。
カーテンレールの金属部分に心電図の明かりが反射しているのを見つけた私は、朝日がのぼったのだと勘違いし、真夜中に起きようとしていました。
術後から一晩明けたら、朝すぐにスパルタリハビリ開始とも聞いていたので、起きなきゃいけない!と、これがまじめな私の寝ぼけ方なのです。
駆け付けた看護師に、まだ3時ですよ!と言われ、時計がないことで混乱していると話すと、小さな置時計をもってきてくて視界に入るよう置いてくれました。
肺の苦痛は想定内
呼吸痛や術創の痛みは想定内のものでした。手術した部分の苦痛については、先生たちが万全の対策で準備してくれているという安心感があります。
一番痛いと感じたときでも、薬の力を借りて眠れる程度の痛みです。朝になる頃には、息を深く吸ってもそれほど痛みがなくなっていました。
看護師さんにみんなどんな具合なのかきいてみました。個人差が大きく、ICU行かずに病棟に帰ってきた人は、1時間もすればスマホいじって退屈そうにしてて平気そうな人もいれば、ぐったりしてる人もいて十人十色です。
私はわりと大変そうに見えたそうです。それは、痛み止め大盛注文して吐いてしまい、お世話かけたからだと思います。
もう二度とこれレベルの手術はしないと思うけど、
術後の一晩は、時計が視界に入る位置にしておくこと。ゴワゴワの靴下はダメ、汗をかいたときの靴下の替えも看護師さんに預けておかないといけない。
という事を学習しました。