病気と仕事

癌サバイバー就労の悩み

2019/12/11

先日、私の今の雇用期間が終わったらうちで働きませんか?と他社の方に声をかけていただきました。最初は契約社員で更新時に大体の人が正社員になるとかならんとか。話半分に聴いてたんであいまいですが。でも嬉しく思います。

ですがせっかくの話も、「私は病気で人に迷惑をかける」と思い込んでしまう悲しい現状があります。

スポンサーリンク

うちで働きませんか

そう声をかけてくれた会社は今よりは小さな会社で、時給換算すると今より収入は落ちます。ですが、雇用期間の望みが今の会社よりは救いようがある事が格段の利点でしょう。

と言っても、声をかけてくれた人は、私がそろそろ雇用期間が終わると思ってその話を持ちかけてくれたのだと思います。雇用期間の安定を目指して転職するのもよいですが、そもそもこの話をしてくれた人が最終的に採用試験の結果を出すわけではないのでこの話自体が絵空事のようにも思います。だって、私、40代半ばで、多くの仕事人生はスーパーの店員でそれ以外の事務職の経験は最近の2年しかありませんから。

それに、今の仕事関係の誰にも言ってないし言うつもりはないのですが、まだ乳癌の再発の可能性や、肺の小結節、癌に移行する可能性の高いIPMNというものを持っています。それが常に仕事を採りに行くという積極性を欠き、また言い訳にもしていまいます。声をかけてくれたA社の人も、元気そうな私がこんな事情を持っている事はもちろん知りません。

(転職のオファーのやりとりはちょっと面白かったので、後日別記事にしたいと思います!)

私はいずれ病気になって迷惑をかけるという思い込み

私の思う事の最終地点はすべて「病気」と結び付けて卑屈になってしまいます。今この時点、本当に元気です。しかし、医者に行けば影がある、腫瘍がある、癌に移行するおそれ、臓器をごっそりとる可能性を毎度毎度言われます。私はたまたま経過を観察すべき小さな病変が見つかっただけで、普段病院へ行っていない人は小さな病変を知らないでいれて積極的に仕事が出来るのでしょうか。なんて誰に向かってか奇妙な嫉妬心すら湧きます。

ただでさえ人一倍仕事の能力がない私が病気で欠勤を続け、権利を振りかざして居続けるほうが会社は大変だろう。迷惑を恐ろしいくらいかけるイメージしか湧かないのです。しかし誰しもが、癌であろうとなかろうと、病気であろうとなかろうと、誰にも迷惑をかけないで生きるなんてことは人間にはもともと出来ない事なのです。

両立支援促進員へ相談する方法も

おもに復職、両立については両立支援促進員という方へ無料で相談できるようです。以下のHPをご覧ください。

病気と仕事のことで、一人で悩みを抱えていませんか

独立行政法人労働者健康安全機構HPよりhttps://www.johas.go.jp/sangyouhoken/ryoritsushien/tabid/1125/Default.aspx

私の住んでいる地域名+両立支援促進員という言葉で検索すると連絡先が出てきました。
窓口で相談している様子

就職支援ナビゲーターへ相談する方法も

これははおもに癌になった後から仕事を探す、就職についての相談が出来るようです。ハローワークと病院が連携しておこなう策を厚生労働省が進めていますが、私の周りではあまり聞きません。

厚生労働省では、ハローワークに就職支援ナビゲーター を配置し、 がん診療連携拠点病院などとの連携のもと、個々の患者の希望や治療状況を踏まえた職業相談・職業紹介、患者の希望する労働条件に応じた求人の開拓、患者の就職後の職場定着の支援などの就職支援を全国的に実施しています。

厚生労働省のHP長期療養者就職支援事業よりhttp://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000065173.html

 

医学の進歩でもらった命をもてあますことのないように

医学の進歩、早期発見の検査の精度の進歩によって癌でも仕事が出来る状態の人が多く、そしてその期間は長くなっています。生きがいとしてや、より安定した生活を続けるために仕事をしてたいという選択肢としてはすばらしいでしょう。

ですが、病体に鞭打ってあちこち頭を下げながら、退職を迫られながら働かなければならない時期が長くなったとも言えます。

今働いているところで、癌経験者が病気前の職位のまま復職出来ている人、治療と並行出来ていたりする人も見つけました。にしても、それは恵まれた環境であると思います。

ちなみに私が治療中にに復職した記事はコチラになります。→ 経口抗がん剤治療中、仕事復帰した時の話

医学の進歩によって、癌でも長生きが出来る可能性。それは同時に、病気を持ちながら「何所から」そして「いつまで」収入源を確保しなければならないか悩む期間も長くなったのです。

下記のYahoo!ニュースが私の「不安」と一致しています。

Yahoo!ニュース6月29日掲載分
がんハラスメント" ある女性の壮絶人生 上司から毎日「辞めてくれ」 あなたの職場は? 北海道

*リンク切れの為削除しました

癌が発見されやすくなったのは、癌患者が増えるという事ですし、そのみんなが退職していたのでは追いつかなくなりますね。医学の進歩に癌サバイバーを受け入れる雇用も少し追いてほしいと思っています。

                      

-病気と仕事