乳がん治療の記録

患側の酷使を避ける周囲への言い訳

2017/07/20

どんな仕事でも手を使わない訳にはいかない。乳がんで腋窩リンパ節郭清術をしている私はどう理解を得、どう酷使を避けていけばいいのか今まで模索してきたことを綴りたいと思います。

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乳がんを公表していないから理解されることは難しい

まず、私は今の職場で乳がんの病歴がある事を言っていません。治療の為に仕事を休む予定は今のところなく、通常の業務の中では困る事は無いから言う必要性も感じていません。

ですが、手の酷使を避けて通り辛い事も多々あります。それは仕事でなくとも、子供の学校行事や地域の当番活動においても同様です。普通に暮らしていれば、なにかしら用事があるものですよね。

癌だと分かってくれていればその役割は免除されやすいかもしれません。それに加えて治療が終わって元気そうにしていても酷使を避けるべきことまで分かっていてくれればですが、なかなかそんなふうにはいきません。癌を公表しない事で自分の居場所を保っている場合、リンパ浮腫で・・・と言いにくいし、言ったところで、

「ただのむくみでしょ?ならなおさら動かさなかったら浮腫む一方だよ!」

と発破をかけられることもありました。

実際私が使った酷使を回避する言い訳ネタ

私が15年間使ってみたネタです。

自分は過去に片腕を病んでしまているので…と言っておく

何人に言えばいいのでしょうか。一回言ったくらいじゃ覚えていないのでまた同じ事を言わなければなりません。病んだ腕の事情の説明が出来ません。事情が定着されればされたで気が付けば尾ひれはひれがついた「言い訳がましい使えない人」というレッテルが貼られているかもしれません。

とにかく今日は痛いので…

私だって筋肉痛だよ~となどなど、言い返されるかもしれません

足の方を酷使する作業があれば進んでそれを引き受ける

そうすることによって手を酷使する事から少しでも逃れる。進んで引き受ける事によって周りの心象もよい。私は足の裏に足底線維腫というできものがあるので、どちらの調子も悪い時は使えない自分に情けないです…

腕が痛いより、腰が痛いと言う方が理解度が高い

腰は大事だからね。と言ってくれます。腕が痛くて大変な思いをした人より、腰が痛くて大変な思いをした人の方が圧倒的に多いからでしょうか。理解されます。

しかし、腰が痛いふりを持続させるのも大変です。酷使出来ない事は同じなのに、「部位」を偽るので、まるで仮病のような罪悪感を感じます。

思い切って当日休む。

あれこれ言い訳しながら手を使わない作業ばかりして白い目で見られる続けるくらいなら休んでしまう。何回も使えない手です。信用問題ですもんね…切り札にとっておきます。

患側をかばいながら一生懸命する

すごくとろくさいヤツだな!と思われるでしょうが、一生懸命頑張っている姿で勘弁してもらう。

仕事の能力がない私は酷使の役回りが多い

私はかつてスーパーの店員だった時、足の裏の腫瘍(別記事:足の痛み(足底線維腫)の原因と診断、最良の方法に至るまで)で立ち仕事が辛く、そして乳がんの手術で腋窩リンパ節郭清術をし、利き腕の酷使を免れたくて事務職へ転職しました。

おかげで米やビールのケース買いの対応や補充、棚卸、お年寄りが買い物された重たいものを持って差し上げてまわるという日常から逃れる事が出来ました。

ですが、事務職へ転職して間もない頃、事務所の引っ越しと言うイベントがありました。私を雇う時、少し早い時期に呼んでくださったのは、この引っ越し作業の人手を一人でも確保する為だったのです。

机や家具等の移動は外部の引っ越し業者さんが行いますが、「書類」は機密関係のものが含まれるので社内の人間が荷造り、荷ほどきをします。その社内の人間で雑用をするのはやはり新人の私の仕事でしょう。一箱20キロほどの書類がぎっちり詰まった段ボールの荷造り、持ち上げてはおろす日が何日も続きました。これではスーパーの仕事より酷使しています。

荷造りされた書類

面接試験の時に現在の体調は良好ですかと聞かれ、「良好です」と言い切って雇われた結末です。ですが、ここで「リンパ浮腫で手を酷使できません」などと言っていては絶対雇われる事はないでしょう。まさか、それが事務職でありながら引っ越し作業を想定していた質問とは予想もつきませんでしたし。

私がこれをどう切り抜けたのかは、なるべく健側(利き手とは逆)を使う事を心がけました。すごくもどかしくて自分も周りもイライラし、されたでしょうが、患側(利き手)をかばいながらやっていました。これが原因で雇用契約が早く終了されたなら、今後も40過ぎの私に力仕事に期待をされている職場では居られないのだからそれはそれでよいのだと開き直っていました。

結局、私はこの引っ越し作業でリンパ浮腫を発症することはなく、なんと自宅の草引きでリンパ浮腫を発症することになるのです。(別記事:忘れた頃にリンパ浮腫の発症(術後14年目)

頭を使って、患側をいたわりながらする重作業より、油断して何も考えずやる軽作業の方が発症しやすい事もありえますね。その時の体調にもよるのだと思いますが。

私が雑用以外に処理できる仕事はそうそうありません。今も私の仕事の代わりはすぐに用意できるでしょう。私が苦労して2年かかって覚えた事も、なんなく2か月ほどで私以上に記憶と理解が出来そうな人がわんさか面接を希望しているのですから。

しかし、たとえ私が特殊な技術を持ち、重宝されていたとしても、一生患側を酷使しないで済む訳でもありません。生きていれば用事はあるのです。その場その場で対処対処で切り抜けていきましょうかね(‘◇’)ゞ

実は何も心当たりない今、リンパ浮腫発症の予感が…

実は今日、なぜこの事を思い出して記事にしたのかと言うと、朝起きた時から「リンパ浮腫の予感」を感じているからです。何も酷使していない、虫刺されや日焼けなどの心当たりがないのにです。見た目では、よ~く目を凝らしてよ~く見比べるとわずかに患側が太いかも?ぐらいなのですが、患側が張っている悲壮感たっぷりです。リンパドレナージュをせっせとしています。

今日は、フライパンをがっつり振るような料理はせず手抜きします。洗濯物は患側をいたわりながら干します。けど何もしないで腕を下げている時間が多いより、腕を上げ下げする、肩が凝らない程度に指を動かす(PCのキーボードを適度にたたく)くらいした方が前回リンパ浮腫を起こした時は調子よかったので、仕事が休みのこの連休最終日、リハビリがてらこの記事を合間合間にタイピングしているというとこです。

明日は張った感じが無くなってるといいんだけど(´;ω;`)

                      

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