忘れた頃にリンパ浮腫の発症（術後１４年目）
2017/01/13
乳がんの手術で腋窩リンパ節郭清をしているので、リンパ浮腫になりやすいと言われていました。リンパ節を摘出してしまっているので、リンパ液の流れが悪くなり、滞ったものがむくみを引き起こします。これは、リンパ節廓清した人に多くみられるようですが、センチネルリンパ節生検の術式の人も、放射線治療をした人も可能性があるので、これに該当する人は、説明を受けているはずです。
私は腋窩リンパ節廓清術をして１４年目に軽度のリンパ浮腫をおこしました。その様子を綴ります。
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リンパ浮腫について術後にうけていた説明
手術した病院で、術後すぐに運動機能を回復させる「リハビリ」の冊子をもらい、退院する日には「リンパ浮腫」を予防する差冊子をもらいました。そこには予防法と、対処の仕方が書いてありました。
予防法は患側を酷使しない、傷、虫刺されを作らない、日焼けしない、締め付けない、過度に太らない。などです。
幸い私は軽度のリンパ浮腫を１回発症し、病院で習ったマッサージ（リンパドレナージュといいます）を１か月ほど続けて元にもどり、それ以降は発症していません。以下にその体験を綴ります。
まさか忘れた頃にリンパ浮腫になるなんて
朝起きたら突然患側の手の甲がぷくっと腫れていました。なぜか手首より先だけが浮腫んでいます。それより上は見た目では浮腫んでいませんでした。この段階では軽度のようですが、腕の付け根の感覚は鈍り、指先に行くにつれ重く痛い。腕全体に妙な不快感が時間を追うごとに増してきます。これからどんどん腫れそうな気配がしていました。リンパ浮腫は、一回なってしまうとなかなか治りにくいと聞いていたので、早く病院に行きたくてたまりませんでした。
このままどんどん浮腫んで、病院でもらった冊子に出ていたあの写真のようになってしまうのかな・・・立ち仕事がつらくて辛くて事務員に転職したのに、「手」が使えなくなったら、事務職も出来ない。パソコンのキーボードを打つのが不自由になったらどうしよう。
その日は土曜日だったので、翌月曜日までそんな事を思いながらもやもやしていました。
主治医の所見とリンパ浮腫になった原因を探る
リンパドレナージを教わる
その病院には、医療リンパドレナージセラピストという資格を持つ看護師さんがいました。別室で看護師さんに、自宅で出来る「セルフリンパドレナージ」を習いました。
ざっくり言うと、手の先から肩側に向かって回しなぞり上げるようにリンパ液を移動させるイメージです。説明を受けながら、実際にその場で自分で自分に施しながら、それが上手に出来ているか、圧力のかけ方、強さを細かく指導していただきました。
もし冊子に載っているとおりにやっただけならば、出来ているつもりが、出来ていない、むしろ逆効果な事をしたかもしれません。冊子では細かいことが伝わらないので、本当に直接習えてよかったと思います。
こういった私の経緯から、術後に初めて浮腫んだら、軽度だからといって病院へ行くのを躊躇したりせずに行くほうがよいと思います。自己判断で自己流リンパドレナージをするより、医師、詳しい看護師さんに一度、相談するのがいいと思います。そもそも、それはリンパ浮腫でない別の病気であったりしてもいけませんし、「蜂窩織炎」という炎症を起こした段階でのマッサージはしてはしてはいけません。なにより、浮腫みが酷くなると「治りにくい」ので早めに指導を受ける事が出来て、本当に良かったと思いました。
リンパ浮腫今後の対応
私の今の段階では、このセルフリンパドレナージを毎日行って様子をみるだけでいいとの事です。もしもっと浮腫んできたり、不自由がある。などがあれば今度は「弾性グローブ」（リンパ浮腫用に圧力を調整されたサポーターのように使うものです。）を購入してみることにします。予約をとって「運動療法」という療法を受ける事もできます。病院によっては「リンパ浮腫外来」という独立した外来もあるようです。
幸い、私は商品の購入も、運動療法も受けずにセルフリンパドレナージだけで治すことができました。
リンパ浮腫になった原因についての反省
今回の原因は「油断」だと思います。手術後間もない頃は気を付けていました。何年も経つと「これくらい前も大丈夫だったから。」そう思ってくるのです。身近な人も、私を病人扱いしなくなります。自分も自分を丁寧に扱わなくなります。今回は取り返しがつく程度でしたが、１０年以上たった時、大事な事を思い出させてくれた出来事でした。
それ以来私は、草引きなどの一見単調で「酷使」と見えない作業も休み休みします。時々もう一方の手を使い、単調作業に両手を使うように心がけています。患側が利き手だったので、利き手以外の手を使うことにより、なんだか脳が活性化したみたいで、若返る気がしますよ。リンパ浮腫関係なく、どんな人にでもこれは是非お勧めします。
まとめ
- 初めてリンパ浮腫になったと思ったら軽度でも躊躇せずに病院へ
- できればマッサージは冊子を見るより直接習った方がいい
- 何年も経ったらリンパ浮腫の予防をつい怠ってしまう。これを読んだ方、思い出していただけたら幸いです。