不安があって骨シンチ検査(術後4年目)
2017/06/26
乳がんの手術から無再発で4年経過した2006年目の定期検査の時、ある不安があり、「骨シンチ」の検査を希望しました。結果、癌の再発は認められないという事でしたが、見た目、なかなかショッキングな骨映像に驚きました。
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不安とは、肋軟骨骨折の痛みがひかない事
この検査をする半年くらい前の事です。風邪をひいて、変な体勢で激しい咳をした時に肋軟骨を骨折しました。整形外科でレントゲンを撮りましたが、骨折としてハッキリ画像で確認出来ませんでしたが、「軟骨」はレントゲンでは映らないと言われ、診断は「肋軟骨損傷」という結果に落ち着きました。
治療法は、出来る事は楽な姿勢をとりながら出来るだけ安静にして自然治癒しかないということでした。
1~2か月ほどで痛みが落ち着いて来ると言われました。コルセットもある事はあるが、装着に面倒な上に、私程度の損傷の回復はあってもなくても日にち薬だと言われたので、購入しませんでした。咳をするたび肋骨に激痛が走っていました。
およそ2か月ほどしのいでいると、医師の言ったとおり、何もしないでも痛みは落ち着いてきました。その頃には肋骨が痛くない姿勢が分かってきていて、重いものを持つとき、くしゃみをする時にはそれ相応の受け身をとってからくしゃみします。大体のことは痛みなくこなせました。
痛いところがあるとすぐに浮かぶ「再発」という文字
ですが、そんなこんなでさらに2か月、骨折してから4か月ほど経った時、今度は安静時にも骨折部分がピリピリと痛みます。再度整形外科を受診しましたが、神経痛のように見受けると言われ、漢方薬を処方され、様子を見る事になりました。
それに、やはり一度損傷をうけたところは治った後でもたまに痛むものです。癒えてから日が浅いので、この可能性が一番高いと思われます。いずれにせよ、慌てず様子を見る事が最も適当だという事でした。
癌を経験すると、どこか不調や痛いところがあると、それは癌の再発ではないかと真っ先に思います。それは15年経った今でも同じです。
肋骨の痛みは神経痛ではなく、癌が骨に転移したのではないか。そもそも、咳をしたくらいで30歳代の私が容易に骨折するなんて、折れたのはそこに「癌」があったからそのせいで折れたのではないか。そう思えば思うほど、連動するように痛みが強くなっていきました。
漢方薬を変えてみたり、量を増やしてみたりして飲み続ける事2か月、乳癌術後の4年目の定期検査がありました。私はこの時、事情を話して自分から「骨シンチ」という検査を申し出ました。当時、PET―CTはあるにはあるが、まだ台数も少なく金額も高く、予約が随分先まで埋まっていました。それに、術後に一回骨シンチをしていたので、前回のデータとも比べる事が出来ます。
主治医に症状を訴える私は、もう、自分で自分が骨転移したと思い込んで、そう言い切って話をしていました。「痛みがなんでも癌だと決めつけないで落ち着いてください」という医師の言葉も聞く耳はありません。
骨シンチ以外の定例の検査「マンモグラフィー」と「エコー」はこの診察の時に済ませる事が出来、その日に異常なし。という結果を聞くことが出来ています。1週間後に骨シンチの予約を取りました。
骨シンチとは
放射性物質を注射し、2~3時間後にその集積を映し出す検査です。レントゲンよりも鮮明に骨の異常が分かります。検査時間は私の場合、40分強。今までの画像撮影の経験の中では撮影時間が一番長かったです。また、PET-CTと同じく、放射性物質を注射しているので、検査直後の妊産婦、乳幼児との接触は控えます。(どう制限すべきか病院スタッフに聞いた事を、PET-CTの場合でありますが、別記事:PET-CT検査後の乳幼児との接触はどこまで制限するかに書いています。)
骨シンチの検査の流れ
- 検査の説明、問診のあと、放射性物質を注射。痛くない。
- 薬剤が回るまで3時間なるべく安静に過ごす。飲食可。当時院内携帯禁止だからかなり時間をもてあます。
- 撮影。30分~1時間。
- 結果は当日聞けることもある。私は検査終了時間が遅かったため1週間後の外来で聞いた。
骨シンチの料金
約1万8千円。(健康保険3割負担の場合)
2016年現在は2万を切りますが、2006年当時は2万越してたと思います。
骨シンチの検査結果を聞きに外来へ
検査から1週間後、結果を聞きに外来へ行きました。もう毎度おなじみですが、検査をするときも、結果を聞く時も、抗がん剤を点滴した帰りも私は一人でした。誰かに居てもらったことは癌告知の一回きりでした。
どれほど検査結果を聞くイベントがあったか数え切れません。そのたび夫や誰かの有給を使うのであれば、私の付き添いではなく、子供の世話や送り迎えを頼むからです。ちなみにこの時子供は4歳でした。
私はもう骨転移しているものとなりきって診察室へ入りました。そこへはすでにフィルムが写し出され、患者控え用の印刷された結果の紙も置かれていました。
それを見るなり衝撃が走りました。問題の骨折した部分が真っ黒に映し出されていることが一目でハッキリわかったからです。紙の方には、インクでもこぼしたかのようにそこだけが真っ黒でした。そして、意外な主治医の言葉。
そこで私の思い込みは一旦リセットされました。主治医はさらに、一通り術後の治療が終わったら、常に再発の事ばかり心配するのは建設的ではないと言いました。
- 症状がない時に躍起になって発見した再発癌を早期に治療した結果と、症状が出てから治療し始めた結果と比べると、両者に生存率、生存期間に差はあまりない。(再発した場所によるというのはりますが。)
- 乳がんは再発しても、共存して治療をしながら普通に生活する期間がかなり長い。一概に再発=怖いと思い込まない事。
これらの事は術後の治療が終わった時にも聞いていました。が、一旦痛みが気になると、もうどうしようもなくなります。
初発の癌を見つける事は、症状のない早期に見つける事が大事ですが、一回癌になると、少し考えを変えなければならないとの事。もちろん、別の癌の早期発見の検診は引き続き重要です。
この後、私の思い込みがリセットされた事により、肋骨の痛みがピッタリおさまってしまいました。病は気からですね。無い癌をあると思い込み、痛まないはずのものが痛んでいました。ストレスで免疫も落ちたんじゃないかと思います。こういう悪循環により、頻繁に余計な被爆を重ねない為にも、少し考えを変えなければならないということですね。
まとめ
- 骨シンチ検査をする時は、打撲などの外傷の場所を思い出しておこう。昔の外傷にも薬剤が集積して映ってしまうから。
- あらゆる痛み・不調を何でも癌と結び付けない
- いつも再発の事を考えていても、プラスになる事はない。