乳房温存手術と腋窩リンパ節郭入院から手術翌日まで
2019/12/27
私は子の誕生と同時に乳癌が見つかり、その2週間後に手術の為入院しました。人生で一番慌ただしい場面でした。
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乳がん手術当日の様子
癌告知のその日から手術日までの12日間母乳を止める薬を飲み続け、12日たっても完全に止まることはないけれど、手術は出来ました。母乳は血液の一部みたいなもので、手術中に染み出しても差し支えはないけれど、乳腺の手術だから、噴出してしまうと邪魔なんですね。
手術から意識が戻った時には、みんなが病室で・・・見守っていません。私の場合。
胸よりも、脇の下が痛かった。麻酔の余韻を借りて、自分の意識をなるべく薄めるように眠りました。手術中は、病室に夫が待機していましたが、意識が戻った時にはもう、誰もいません。これから私のせいで仕事を休みがちになるにあたり、会社の引継ぎ云々で、忙しいのです。
そして家には新生児が居て、子育てを忘れた母やら親戚中、新生児をどう扱っていいかてんやわんやしてます。
私の術式は乳房温存手術と腋窩リンパ節郭で行われました。当時は2002年、私の乳癌の具合(大きさ2.5cm、取りやすい場所)ではこれが適切と言われていました。
センチネルリンパ節生検とは
乳がんは、最初に腋窩リンパ節という乳房近くのリンパ節に転移してから、それ以降の組織に転移することが多いようです。腋窩リンパ節のなかでも、さらに直近のリンパ節(通常1~3個)を取り出し、術中に迅速に診断、そこへ転移が見られない場合、そこ以上の転移可能性が低いものとして、それ以上のリンパ節切除をしないというものです。広く採るより、今後の運動機能がよく、浮腫の起こりにくいと言われていますね。
当時まだ「センチネルリンパ節生検」というものがまだ浸透しておらず、広い範囲を手術でとってしまったので、術後まさかの14年も経ってから「軽度のリンパ浮腫」をおこしました。これについてはまた改めて記事にしたいと思います。
腋窩リンパ節郭清とは
腫瘍の大きさ(3センチが目安)や、術前検査で、センチネルリンパ節生検よりは広い範囲のリンパ節を取ったほうがいいだろうとされるときの方法です。私はこの術式で行いました。
取ったリンパ節ひとつひとつが病理検査に出され、これに1個でも転移があればステージⅡb以上だと言われていました。検査結果は1週間後との事です。
乳房温存手術が適用された
そして、私の場合、以下の事から乳房全摘術ではなく乳房温存手術が選択されました。
- 腫瘍の大きさが3センチ以内
- 腫瘍の位置が周りの組織をある程度一緒にとりやすく温存しやすい場所であった
- 術前検査でリンパ節、近隣の組織への転移の可能性が低い、あっても軽度と予測される
乳房温存手術と乳房全摘術にも時代の流れが大いに関係しています。*別記事:「乳房温存手術と乳房全摘術は、時代の流れが大いに関係している」に記載しています。
手術後1日目の様子
翌日、起き上がれるようになった時、脇の下からドレーンという管が出て、血を薄めたような液が小さなタンク(点滴ボトル程度の大きさ)に溜められていることに気づきました。リンパ液や血液が溜まっているらしいです。まじまじとは見たくない感じです。
尿道カテーテルを抜きました。起き上がれるようになって最初にしたことは、看護師さんと一緒にそのタンクを腰の位置にS字フックでぶら下げ、点滴のキャスターを押してトイレに行きました。手術直後の体力的にも付属品の多さでも、かなりの大仕事でした!
そして、朝食が来ました。ご飯だけはお粥になっていて、おかずは普通でした!
と心の中で突っ込みを入れておりました。
胃や腸などの消化器に関係しない手術は、麻酔で滞った胃腸が回復さえすれば普通に食べていいとの事、病院によって、またはその患者の質(高齢者)によっては、術後直後から流動食にはじまり、3分がゆから7分がゆまで丁寧に段階が分かれているとも聞きました。
主治医が病室に来られ、説明がありました。
やり方などが載っている簡単な冊子をもらいました。ドレーンが抜ける前と抜けた後のリハビリメニューが載っていました。
やり方って、まあ要は、腕を上げるだけなんですけど、これが痛いのですよ。術後の状態は脇の下に何か挟んでいるような異物感と痛さが常にあり、つい、脇を開けない姿勢をとってしまう。ちょっとでも開けると脇が痛い!リハビリをしないと今後脇の動きの回復がよくなく、浮腫も起こしやすいという事です。それも広くリンパ節を取ったデメリットの一つです。
手術翌日まではこんな流れの一日でした。