乳房温存手術と乳房全摘術は、時代の流れが大いに関係している
2016/12/15
私は、乳癌温存手術を2002年に受けています。それは、乳房と生存率、両方を失わない方法として追及されていました。
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私が温存術が適用になったのは
- 腫瘍の大きさが3センチ以内
- 腫瘍の位置が周りの組織を一緒にとりやすい場所であった
- 術前検査でリンパ節、近隣の組織への転移の可能性が低い、あっても軽度と予測される
ということからです。2016年現在でも、おそらくこの方法をとれるのではないかと思います。
私の場合は、温存術後で取った範囲の広さを思うと、かなり綺麗だったので、執刀医の技術に驚きと感謝をしました。しかし、放射線治療で組織が委縮したことで、綺麗な仕上がりが3割減くらいに思える変色と左右差は残りました。ですが、それも数年経つと違和感がなく左右差も自然になってきました。
ひと昔前では
私が手術をする2002年よりもっと前は、乳癌=乳房切除(全摘)が普通で、どうしても残したい場合はある程度覚悟をもって臨むという「昭和のTVドラマ」ではよくあったイメージでした。そして、2002年私の手術の当時は、生存率も乳房も両方を失わなくて済む方法が追求されており、多くの医師、病院はそのガイドラインをもとに患者とともに温存か摘出か「選択」をする時代でした。
時が過ぎ2016年現在はその頃に比べ、どちらか困った場合には乳房全摘術を望む人の割合が増えているようです。それは以下の事が飛躍してきたからでしょう。
- 2006年から自家組織による乳房再建術が保険適用
- さらに2016年現在までに複数の型のインンプラント(人工乳房)が保険適用になってきた
- その技術の進歩は加速をしている、それは需要があるから
- 乳房再建も保障対象となるがん保険、医療保険も充実してきた
温存術を選んでも、左右差や、ひきつれが残ります。放射線の照射痕が何か月か数年、黒く残ります。予測される左右差や傷の状態によっては、無理に温存を選ぶよりは全部取って全部作り直す方法もあるという考えが多くの患者さんに選択できるようになったのだと思います。(もちろん、そんな簡単に一概に言える事ではなく、表現を簡略しすぎかもしれませんが、ご了承ください)
私の手術した2000年前後の時代では、「シリコンパッド」が流行りでした。もちろん、乳房再建を決めた人も周りにいました。お金がかかることもですが、「情報」を発信している人があまりいなく、心細かったようです。
まとめ 乳房温存手術と乳房全摘術 時代の流れ
- 全摘の時代→温存を望む時代→選択できる時代と移ってきた
- これからもますます保険適用の範囲で選択できることが増えるだろう