病気と仕事

履歴書、面接での健康状態の申告は必要か

2019/12/28

私は40代、学歴なし、爆弾持ちで転職を希望しています。爆弾とは、私は3つもIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)を抱えていること、両肺の小結節があり、乳がん経験者、だということ。

スーパーの店員から事務職に転職してから数年間、この爆弾たちは、身体的苦痛は全くなく、精神的苦痛だけを私に与えてきました。

私が爆弾持ちだという事を職場の誰にも言っていません。もし言うにしても言う必要が出てきてからです。幸い入院することもなく「言う必要」を免れてきました。

現在の仕事をずっと続けたいのだけど、有期雇用契約なのです。いつかは転職先を探さなければなりません。

書類、面接での健康状態の申告は必要?

爆弾持ちだなんて言うはずがない。

今持っているIPMNやらを隠して入社し、就職してから長期入院や長期治療が必要になった時、どのような処遇を受けるのだろうか。

私は、人を採用する側、採用される側、両方の経験があるので、中立的な立場で私なりの解釈をイメージしてみました。

最近の履歴書は「健康状態」を書く欄がないものが多いです。私にとって良い傾向です。もし、その会社の所定の様式の履歴書があり、健康状態欄があると…良好と書くかな。既往症欄があったらアウトだな。てか、そんな会社受けたくないです。

面接の様子

履歴書で免れても、必ず面接で健康状態は聞かれると思います。

私は、こう答えます。

「現在治療が必要な病気にはかかっていません」…(経過観察が必要な病気はあるけどね)

または、

「直近の会社の健康診断では良好でした。」…(健康診断では分からないレベルのヤツ、健康診断以外で見つけちゃったけどね)

もう、これらを総合的に一言で、「良好です」といってもいいと思っています。

一応、嘘はついてはいません。まさか、あなたは癌になったことありますか?や、IPMN持ってますか?などと聞いてくる面接官はいないでしょう。

嘘はついていない、けれど、心苦しくはあります。しかし、全ての私の病歴を理解した医師は、「就業可」だと言うはずです。治療も必要ないと証明できます。今なら。

現在治療の必要はなく、平均年に1%程度の癌化するものを持っている。その年1%の割合に当たってしまった際には手術、療養の期間が「就業不可」となる。なにもなくても半年~1年に一回の受診が必要であるが、有給休暇で対応が可能。

という状態を、採用選考の自己申告で健康状態に問題ないと言ってはいけないのでしょうか。

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後でバレる可能性はあるのだろうか?

もし今後IPMNが手術が必要になって、会社に病気休暇、休職などの診断書を提出するときに、入社前からわかっていたことがバレるのではないかと心配もします。

ですが、休暇や休職用の診断書では、だいたいは患者が、病名と入院期間や療養期間だけシンプルに書いてほしいといえば要望に応えてくれます。

医療保険請求の為の診断書は、保険会社が所定の様式を作っています。そしておそらく「初診日」か「傷病発生日」を書く欄があると思います。もしも就業先の会社側がこのような診断書の様式を作っているところであれば前からIPMNがあったことがバレる可能性はあります。

ではバレたらどうなるか。

入社時点で良好な経過観察をしていたIPMNがとうとう手術が必要になる時が来たり、10数年前の経過観察さえ終了した癌がまさかの再発ということは、重大な健康状態の虚偽申告にはあたらないと思います。(あくまで個人的な見解なのでご注意ください。)

もしも、就業不可レベルのひどい病状を隠して採用されたり、業務に影響する長期で頻繁な通院、配慮が必要な状態を隠して、健康状態を良好と偽っていたのなら、お咎めはあるかもしれません。

最悪な場合で、雇用契約の終了はあったとしても、今までの給料を返せとまでは言われはしないでしょう。

*運転手などの職務で、睡眠時無呼吸症候群を隠して採用され、重大な事故を起こした等であれば、重い社会的責任があると思いますが。

採用されたい一心で学歴を偽ることと、健康状態を偽る事の罪の重さは、前者のほうがはるかに重いと思います。

入社前(直後)健康診断で病気がわかったら

内定後の、入社前(直後)健康診断で、なにか病気がわかったとします。その病気が、医師が「就業不可」と認めるかどうかが決め手になると思います。実際、医師が即「就業不可」という診断書を書くのは、よっぽどのことだと思います。

業務に支障をかけない程度の治療をしながら「就業可」であれば、引き続き雇ってもらえると思います。私の周りでもよく聞くことです。業務に支障がない程度の「病気」を理由に解雇をするのは大問題なのです。内定の取り消しも同様。

もちろん、選考の前に健康診断の結果がわかっているならば、頑健の者と、医師が就業可と認めるレベルの病気持ちの者とを比べることが出来るなら、頑健の者を選ぶでしょう。といっても普通の企業は、採用試験の前に健康診断を行い、その結果を点数に入れる事はできないはずです。

私が小さな会社の経営者だったとしたら

私が小さな会社の経営者だったとしたら、本当の本音は、私を採用したくないです。

健康状態など、面接で本当は根ほり葉ほり聞き出したい。けれど個人情報、人権にかかわる問題だから、そんなに突っ込んで聞けない。

病気になった者がいたら、よっぽど勤務成績が良好でない場合、ほんとは排除したい。でも問題になるからむげに排除はしない。それに相手は「人間」なのです。会社に損害が少ないよう、「人間」としてどう対処していいのか、労務士などに相談して頭を悩ませることと思います。

私は人をだまして生きていくのか

私は悪いことはしていない。病気になったのは私のせいじゃない。だけど、それを隠して自分が雇われたいから騙して隠して、迷惑をかけて生きるのでしょうか。いや、隠すのではありません。嘘はつかず、虚偽の申告にならないよう言葉に気を使って事実を述べます。けれど、余計なことは申告しない。それはなおさらたちが悪いかもしれません。

けれど、私には働く権利はあり、働ける健康状態なのです。迷惑をかける社員は病気じゃなくとも、たくさんいるはず。けれど、私は人に迷惑をかける可能性は大きいんだろうな。

今、経過観察をしているけれど、元気そのものの私が転職を考える上で、一番悩むのは「人にかけるかもれない迷惑」なのです。

そして、爆弾を持っていなくとも、40代の、学歴無し、たいした経歴なしのおばさんを常勤で採用するところはないのだから、そんなに真剣に考えなくてもいいのですよね。(笑)


この記事は、会社の立場等のことや、あらゆる可能性のこと、私の個人的な考えのみで書いておりますことをご了承ください。

                      

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